2011年8月竣工 

湯河原 KM邸

居室は全て2階に

見晴らし抜群!

 Kさんの希望は、コンクリートの人工地盤を作って一層分持ち上げ、その上に家を建てたいということだった。理由は、湿気が多い土地なので、以前お使いだった平屋は、どことなく湿っぽかったということと、前方の土地の木々が大きくなって見晴らしが悪くなったということだった。しかし、人工地盤は費用がとてもかかることや、ワンフロアーで希望される居住空間を作るのにはそれなりに大きな面積が必要なこともあり、居室でない部屋を一階部分に造り、2階に居室をもってくるプランをお薦めした。
その結果、2階部分の面積が1階の約2倍となり、2階部分が大きく張り出す形となった。写真の正面部分では、1階部分より張り出した2階をポーチの庇代わりとした。

高さを抑えた1階

 敷地は、南側隣地より1.5mほど高くなっており、また、北側隣地はこちらより約1.5m高くなっている。どちらの家に対しても、あまり高々と建てると圧迫感があると思い、1階部分をできるだけ低く抑えた。それでも、張り出した2階の下には広々としたピロティーができ、雨の日の洗濯物干しや、浴後の夕涼みにはよさそうな空間となった。また、風通しの良いこのピロティは湿気対策にも効果が期待できる。
data
構   造:木造2階建
面   積:1階 27.7㎡ 2階 63.7㎡
主な仕上材:
  屋 根:ガルバリウム鋼板
  外 壁:アクリルリシン吹付け
  天 井:ビニールクロス、突板合板、バスリブ   
  内 壁:ビニールクロス、和紙、檜縁甲板、タイル
  床   :フローリング、桐、畳、クッションフロア 

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KM邸のインテリア


床の間の丸窓は、Kさんの長年の夢だったそうだ。床の間は、淡いピンクの手漉き和紙を貼らせてもらった。全体的には、濃い茶色のフローリングや建具と白い壁でメリハリのあるすっきりしたインテリアにした。


リビングダイニング 引渡し前の清掃中・・・

和室 正面右端は仏陀置場


床の間正面の壁は淡いピンクの和紙、両脇の壁は生成りの和紙


雪見障子
真ん中3本の吹き寄せ


雪見障子を開けると隣地の緑が見える。


床の間の裏に、こんな遊びをしてみた。


ガラスの洗面ボウル
台は赤松で造った。


浴室はハーフユニットを用い、壁には檜の縁甲板を張った。